2023年6月3日
2023年6月2日「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」において、以下のことが決定されたことから、今後は具体的な施策として実施されます。
物流は国民生活や経済を支える社会インフラであるが、担い手不足、カーボンニュートラルへの対応など様々な課題があり、物流産業を魅力ある職場とするため、トラックドライバーの働き方改革に関する法律 が2024年4月から適用される一方、物流の停滞が懸念される「2024年問題」に直面していることとから何も対策を講じなければ、2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力不足の可能性がある。
このため、荷主企業、物流事業者、一般消費者が協力して我が国の物流を支えるための環境整備に向けて、(1)商慣行の見直し、(2)物流の効率化、(3)荷主・消費者の行動変容 について、抜本的・総合的な対策を「政策パッケージ」として策定した。
(1)商慣行の見直し
① 荷主・物流事業者間における物流負荷の軽減(荷待ち、荷役時間の削減等)に向けた規制的措置等
の導入(※)
② 納品期限(3分の1ルール、短いリードタイム)、物流コスト込み取引価格等の見直し
③ 物流産業における多重下請構造の是正に向けた規制的措置等の導入(※)
④ 荷主・元請の監視の強化、結果の公表、継続的なフォロー及びそのための体制強化(トラックGメ
ン(仮称))
⑤ 物流の担い手の賃金水準向上等に向けた適正運賃収受・価格転嫁円滑化等の取組み(※)
⑥ トラックの「標準的な運賃」制度の拡充・徹底
(2)物流の効率化
① 即効性のある設備投資の促進(バース予約システム、フォークリフト導入、自動化・機械化等)
② 「物流GX」の推進 (鉄道・内航海運の輸送力増強等によるモーダルシフト、車両・船舶・ 物流施
設・港湾等の脱炭素化等)
③ 「物流DX」の推進 (自動運転、ドローン物流、自動配送ロボット、港湾AIターミナル、サイバー
ポート、フィジカルインターネット等)
④ 「物流標準化」の推進(パレットやコンテナの規格統一化等)
⑤ 道路・港湾等の物流拠点(中継輸送含む)に係る機能強化・土地利用最適化や物流ネットワークの
形成支援
⑥ 高速道路のトラック速度規制(80km/h)の引上げ
⑦ 労働生産性向上に向けた利用しやすい高速道路料金の実現
⑧ 特殊車両通行制度に関する見直し・利便性向上
⑨ ダブル連結トラックの導入促進
⑩ 貨物集配中の車両に係る駐車規制の見直し
⑪ 地域物流等における共同輸配送の促進(※)
⑫ 軽トラック事業の適正運営や輸送の安全確保に向けた荷主・元請事業者等を通じた取組強化(※)
⑬ 女性や若者等の多様な人材の活用・育成
(3)荷主・消費者の行動変容
① 荷主の経営者層の意識改革・行動変容を促す規制的措置等の導入(※)
② 荷主・物流事業者の物流改善を評価・公表する仕組みの創設
③ 消費者の意識改革・行動変容を促す取組み
④ 再配達削減に向けた取組み(再配達率「半減」に向けた対策含む)
⑤ 物流に係る広報の推進
(※)2024年初の通常国会での法制化事項